/鉄道交通科コラム001「鉄道時計その①」
みなさんこんにちは。
春から鉄道交通科の担任になった濱崎と申します。
仕事や授業、鉄道に関することを”鉄道の仕事をしていた経験”を踏まえてアップしていきます。
記念すべき第1回目のテーマは「鉄道時計」です。
この文字盤を見て「実際に使われている時計だ!」とすぐに気づいた方は、
運転の仕事にかかわっていたか、なかなかの鉄道ツウですね。
この文字盤、この大きさ、この重み。
見慣れたフォントのアラビア数字を見ると、なんだかホッとします。
時計でしか見ない美しい文字。
ルーツを調べてみたところ、この数字は”ブレゲ数字”と呼ばれているそうです。
なんと230年以上前からこの文字でデザインされた時計があったとのこと。
憧れの備品
鉄道時計は、小田急電鉄に入社した当時「あこがれの備品」でした。
運転士を拝命してピカピカの時計を貸与された時は本当にうれしい気持ちでいっぱいでした。
ずっとずっと昔から。
交通新聞社から発行されている池口 英司さんと石丸 かずみさんの本「鉄道時計ものがたり」によると・・・
鉄道開業時に制定された”鉄道寮汽車運輸規定”には、すでに時計管理の規定が存在しており新橋〜横浜間の鉄道開業当初は駅長が駅に設置された時計と車長(車掌)の時計を管理していたのだとか。
また、鉄道マンにとっての鉄道時計は、
機関士全盛の時代から「厳しい訓練を終えた者だけが受け取ることができる憧れの存在」
だったことが記載されています。
ですよねですよね。
昔は手巻き式。
現在はクウォーツ。
時代が変わっても、貸与された時の気持ちはきっと同じです。
「鉄道時計ものがたり」交通新聞社刊
鉄道創業時の鉄道時計より抜粋
この本は、実際に鉄道にかかわっている人たちのインタビューもあり、読みごたえがあります。
鉄道マンの息遣いが伝わる一冊。
鉄道の仕事を目指す人にお勧めします。
実は市販されているんです。
鉄道時計ってふつうに新品が買えます。
検索するとSEIKO社製のものがヒットします。
これは鉄道時計を市販したのではなく、市販品を鉄道時計として採用したという経緯があるから。
鉄道会社が使っているものとの違いは裏の刻印だけで、あとは同じです。
会社によってはSEIKO社製のほかに、シチズン社製の時計を採用している会社もあります。
でも、シチズン製のものは市販されていないようです。
最近では中古部品として鉄道会社が販売しています。
機会があれば手に入れてみたいものです。
ちなみにこの時計はメルカリで購入した中古品です。
鉄道とは違う世界で時を刻んできたものですが、かつて使った時計と同じように元気に動いてくれます。
続きはまた次回。
次は私の持っているSEIKO社製鉄道時計のバリエーションをご紹介します。
これから鉄道業界を目指す高校生の皆さんに向けて
”鉄道のお話”や”授業の様子”をアップしてゆきます。
どうかどうか末永くお付き合いいただければ幸いです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
鉄道交通科
担任濱崎 勝明
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